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【手塚治虫】ばるぼら

ばるぼら。その意味はわからないのだが、不思議な言葉の響きに妙に惹きつけられてしまう。初めて聞いたのに、ずっと前から知っていたような。これが本作の主人公の名。

ばるぼら。彼女は女神ミューズ、比喩ではなく本当の女神ミューズ。そんな彼女が、流行作家の美倉洋介に出会うところから物語は始まる。この美倉洋介という男、異常性欲の持ち主で、デパートのマネキンに恋したり、雌犬を愛してしまったりと、ずいぶんとサイコ。見た目は、あきらかに澁澤龍彦を意識している。

この物語は、美倉洋介の栄枯盛衰、つまり、ばるぼらとの出会いと別れを、様々なエピソードを交えつつ描いていく。ばるぼらを他の芸術家に取られそうになって、嫉妬してみたり。また、結婚しようとして失敗したり。そして、この物語を結末まで読んだところで、読み手は、もしかしたら美倉洋介が描いた幻想に、ひたすらに付き合わされたのではないかと気づかされる。もしくは、手塚治虫自身の妄想ではと。

女性で失敗された経験がある方は一読を。





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