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「かいじゅうたちのいるところ」を観てきた。

スパイク・ジョーンズが監督した「かいじゅうたちのいるところ」を観てきた。もちろん原作はモーリス・センダックの超有名名作絵本。もちろん字幕版。(こども店長が主人公マックスを演じる吹き替え版もあるのだが)

マックスが、かいじゅうたちのいる世界へ行くシーンをどうやって描くのだろうか?と思っていたら、オーソドックスに、家を飛び出し森に迷い込むことで解決。もしも舞台が日本だったらば、玄関でいちいち靴を履いたりしていたら、苛立ちが爆発して家を飛び出すというシーンも、台無しだな…などツマランことを考えていた。

インパクト大のかいじゅうたちの造形は、原作を忠実に再現しており素晴らしい。モフモフでフサフサで、過剰なキバにツノにツメに、愛嬌を感じる大きな眼もグロテスクにギロギロ動き、ぬいぐるみのような寸胴な体に手足が可愛い。大きなくせにその重量を感じさせないのも面白い。こんなかいじゅうたちが、暴れまわり、踊り狂い、転がりまくって騒ぐ。この映画の魅力の半分はここにある。

原作ではわからないのだが、かいじゅうたちもそれぞれキャラクターに沿った性格づけがなされている。創造と破壊の化身であるキャロル。優しく繊細なKW。意地悪で皮肉っぽいジュディスなどなど。彼らが時折、非常に人間くさい表情をみせたりするのだが、わかりやすいメタファーやシニカルに陥らないバランスがよい。何を感じるかは自由だ。

失われた父性を自らが王になることで代替し、代わりに自身の分身であるかいじゅうたちと向き合うことになったマックス。マックスとかいじゅうたちのやりとりは、彼自身の心の葛藤でもあるのだが、これもわかりやすい解決を見ない。説教くさい説明的な台詞もない。こういう描き方は、ある意味で原作に非常に忠実だと感じた。

かいじゅうたちのいるところが映画化。
http://masa19750506.blog108.fc2.com/blog-entry-1223.html








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かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック

かいじゅうたちのいるところが映画化。

かいじゅうたちのいるところが映画化するらしい。もちろん実写。かいじゅうたちのいるところは、モーリス・センダックの絵本だ。子供のころに読んで、何かわからないがすごく惹かれるものがあった。読み返してみてもわからないのだが、心の奥をむんずとつかまれたのだ。それ以来、彼の絵が絵本が好きになった。彼の絵本は、10冊以上持っている。プレゼントしてもらったものばかりだが。

さてはて、そのセンダックの代表作のかいじゅうたちのいるところが映画化というニュースを知った。しかも監督はスパイク・ジョーンズ。鬼才なんて冠詞がつく彼だが、予告編を見る限りはかなり良質なファンタジーの様子。センダックも映画に関わっているようで、スパイク・ジョーンズ監督を希望したのもセンダックだとか。本当はもっと早くに上映できたのだが、テスト試写で子供の反応が悪く(とても怖がったとか)、その修正をしたために公開が遅れたらしい。

ともあれ、2010年1月公開ということ。気になる。

かいじゅうたちのいるところ
http://wwws.warnerbros.co.jp/wherethewildthingsare/







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かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック

金剛堂山を諦めて、劔岳 点の記へ。

6:30起床。金剛堂山に行くつもり。ところが曇天。しかも朝に雨ふった模様。天気予報も晴れから曇りへ。午前中は降水確率も高め。先週の記憶がよぎる。利賀くんだりまで出かけて、霧に雨だったら。金剛堂山は風衝地帯で絶対に晴れた気持ちのよい日に歩きたいのだ。しかし何故に週末の天気はこうも悪いのだ。明日は山だし、大人しくしてようと思ってしまった土曜日の自分が恨めしい。自転車に乗ればよかった…とメソメソして天気以上にドンヨリする自分。

すぐに転換。そうかリアルで山に登れない日なら、室内で登山すればいいんだ。ということで、劔岳 点の記を見にゆくことに。公開はじめの日曜日ということで、映画館のオープンちょい前に到着も少し行列。また今日も行列か。この映画に来る人は老人多し。ほとんど還暦周辺over世代。並んだおかげで、なかなか良い席。映画の話をしていたらば、隣の席のオバサンがどーしてそんなに詳しいの?と聞いてくる。別に詳しくはないんだが…と思いながら、エキストラに出てたんですよと。

さて暗くなって、映画が始まろうというとき、スクリーン横に人影。なんと木村大作監督が立っているではありませんか!サプライズ。聞いてません。誰も知りません。監督の挨拶によると、昨日帰る予定だったが、予定を変更して今日も挨拶することにしたということ。さすが自家用車移動。予定は自由だ。あいかわらず監督の地声は通る。
木村大作監督による舞台挨拶 劔岳 点の記
映画は予想通りというか想定内というか、ドラマというよりも山、山、山。しかしそれでも山をもっと見ていたい。景色に自分も飲み込まれたいという思いになる。足りない。もっと山を…と思う。これだけの風景がもったいないくらに切り捨てられ、あっさりとカメラは流れ、物語が進む。とはいえ、ドラマはまったくといっていいほど盛り上がらない。話は進めども、音楽が荘厳に響き渡ろうとも、盛り上がらない。不思議に淡々としたまま、そのまま。演出なのか編集なのか、リズム感ももっさりしていてテンポが悪い。これは厳しい。

この映画の魅力は、宮崎あおいが異様に可愛く撮れてるのと、はやり山の美しさに尽きる。物語を抜いて、映像と音楽だけのほうが楽しめそう。ちなみに自分の姿はしっかりと確認。スクリーンに自分が映っているというのは、とても不思議な体験。それがたとえボケボケの背景だとしても。



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劔岳 点の記 木村大作監督を発見!

仕事で富山市内を運転していたらば、富山城の近くで「劔岳 点の記」とデカデカと書いた車と遭遇。これは「誰も行かなきゃ、俺が行く!!木村大作戦!!」で監督自らが全国行脚した車じゃないですか!監督の愛車プレマシーじゃないですか!助手席に監督の姿を発見!明日からの先行上映では舞台挨拶やトークショーもあるとか。本日すでに現地入りですか。しかも愛車で。驚き。驚き。
劔岳 点の記 木村大作監督の車



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もうすぐ、劔岳 点の記 公開。

富山県だけ特別に一週間早く先行上映。ということで、今週末土曜日13日から公開。もうすぐ。あと少し。前売り券をしっかり購入。豪華なブックレットのおまけ付き。チラシやら北日本新聞の特別版やら割引券やら、もろもろを貰ってくる。
自らが出演した(エキストラですが)作品ということで映画を見るのは必然なのだが、撮影があったころは山に登ることを嗜みとはしていなかった。不思議なもので、映画に導かれたわけではないが、知らぬ間に山の魅力に惹かれていった。

物語というよりも、剣岳 劔岳のプレゼンテーションドキュメンタリーとして見てみたい。

劔岳 点の記



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『劔岳 点の記』がついに!

映画『劔岳 点の記』は2009年6月20日から全国ロードショー。というわけで、一般公開に先がけて特別試写会が本日からスタート。この特別試写会、富山を皮切りに全国へ!ということで、なんと木村大作監督自らがフィルムを抱えて愛車を運転して全国行脚する!ということ。「誰も行かなきゃ、俺が行く!!木村大作戦!!」だそうで。公式サイトではメイキング映像なんかも見ることができて、否が応でも期待が高まる。その映像の美しさは、富山の山々の素晴らしさを十分に切り取って見せていたわけで、それだけで感動。エキストラ出演したころは、山に登るなんて楽しみも知らなかったわけだが、気がつけば山の虜になっているのも、何かの縁というか不思議。公開の6月までは、公式サイトを見て過ごせ!
映画『劔岳 点の記』公式サイト



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手塚治虫のMW ムウが映画化だが…

手塚治虫作品の中でも異色というか異形というか、徹底して自らの持つイメージを裏切ろうとして描かれた作品のMW ムウが映画化。キャストなどイロイロと突っ込みたいところはあるのだが…しかし、なにより、この作品から同性愛を抜いてどうするのだ!?アクションを多用したエンターテインメント作になるということだが、主役である結城美知夫は、その名のとおり「美」&「知」があってこそのキャラクターなのだ。うーん。
映画『MW』公式サイト



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手塚治虫

黒沢清の映画術を読む前に…

最近は映画からさっぱり遠ざかっているので、黒沢清の名を見聞きすると、どっぷりと漬かっていた時代を思い出し懐かしさを感じる。黒沢清については、シネモンドでフィルムまわしてた友人から教えてもらって、初めて見たのが『CURE』だった。サイコ/サスペンス/スリラー/ホラーという既成のジャンルだけでは、語りつくせぬ魅力…というより魔力を感じる作品になっている。何を見せたいのか?どう演出したいのか?がはっきりとしていて、とてもスタイリッシュに感じた。特に交番でおまわりさんが銃を撃つシーンが印象に残っている。警察官役のでんでんの存在感が自然すぎて不気味なことこの上なかった。
すっかり黒沢清の魅力にはまり、次に見たのが『ニンゲン合格』だった。不自然な家族の再生と破壊の物語。今さら語るつもりもないが、失われた時間を埋めていく少年/青年役の西島秀俊が素晴らしかった。黒沢清の映画はどれもわかりやすいくせに、心のどこかにフックして静かに淡々と流れていくのだ。
日本の映画は観ない(ハリウッド映画は…も同様)…とかシラフで云うのは、堅くて狭くて小さいな~(というよりも相当にズレているんだけれど)。

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二本立て。

デパートで働く中堅中年サラリーマンの突然の死。死後の世界に行ってみたら、天国に召される前に、特別の理由があれば、初七日までは現世に戻ることが可能という。妻のこと、息子のこと、呆けた父親の介護のこと、仕事のこと、ローンで買った家のこと…突然すぎた死は沢山の未練を現世に残していたわけで…そして、男は特別の理由が認められ、現世に舞い戻る。ただし、若い女の姿として。
こっそり戻って、家族に近づいてみたらば、呆けたと思った父親は、男の家族を守るため?呆けたフリをしていただけ。妻はデパートの後輩と、結婚前から関係を持ち続ける不倫。しかも、可愛い息子が、実は不倫していた後輩と、妻の間にできた子供だったのだ。
デパートに同期入社した未だ未婚の中年女は、実は死んだ男のことが好きだったり、同時に現世に戻ってきた間違って殺されたヤクザの親分と、交通事故で死んだ少年のご都合主義的な関係といい、パタパタと広がる展開は、ラストに向かって強力に強引に収束してゆく。
ただの不倫が、いつの間にか家族再生になってしまうラストといい、どんな脚本だよ!と思っていたら、原作は浅田次郎の小説。映画がトンデモなのか、原作がそうなのか…。

伊勢から富山へ帰るバスの中。缶詰状態で流れていた映画。二本立てのもう一本は「ALWAYS 三丁目の夕日」…こちらは西岸良平の原作「夕焼けの詩」に親しんでいたのだが…マーケティング的な戦後・昭和の演出がテーマパークのようで。

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クラッシュを見る。

といっても、奥山和由監督作品でも、クローネンバーグでもなく、ポール・ハギスが監督・脚本をつとめた作品。ロサンゼルスという都市での数日間の群像劇。登場人物は多数。地方検事とその妻、黒人の刑事とラテン系の恋人、中東系の雑貨店を営む家族、鍵の修理屋、テレビ局に勤めるエリートの黒人とその妻…さまざまな階層/人種である。貧困や銃、社会が孕む多くの問題、人種差別の問題、家族の問題etc.描かれる内容も広い。が、わずか2時間弱の時間ながら、散漫な印象はなく、個々の積み重ねられるエピソードが最後に折り重なってくる。といっても、それはカタルシスを味わうためではない。映画の冒頭で語られるように、人はぶつかり合って生きていくのだ、ということを確認させるためだ。わかりづらくなりやすい、群像劇だが、これは脚本・編集が素晴らしく、飽くことなくラストまで物語は動き続ける。ラストに示されるのは、かすかな希望。こんな希望が生まれる瞬間にも、クラッシュは起き続ける。映画は世界で起こり続けるクラッシュの一旦を切り取ったに過ぎない。

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(2006/07/28)
サンドラ・ブロック、ドン・チードル 他

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