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【手塚治虫】日本発狂

不穏で煽るような魅力あるタイトルだが、内容とはあんまり関係しない。というか、発狂しない。

偶然に幽霊の行進を見てしまった主人公の少年イッチ。死後の世界へ行くことになった彼は、その世界で圧政に苦しむ人々=幽霊たちのレジスタンス活動に協力する。物語の後半では、死後の世界の人々=幽霊たちを導いて、死前の世界(つまりは今世)へやって来る。そして、生の世界の人々と死後の世界の人々=幽霊たちの共存生活がはじまるのだが…

本作品で、霊とは?魂とは?死後の世界とは?をストレートに描いている。ここで描かれる死後の世界は、死前の世界となんら変わらない。終わらない争い、そして戦争だ。また、死んだ人間も恋をしたり、再び死んだり…死後の世界の死は、存在の無である。

どこか軽くふざけた感じとシリアスが、物語の中では微妙に揺れる。プラスにもマイナスにも振れず、いい加減に作られた、妙な味わいを残す作品。物語の最後の最後、生きている人々との軋轢のため、追い出された死後の世界の人々=幽霊たちとイッチはどこへ行くのか?この行く先を知るためにも、読んでみるべし。

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